学習研究社『NEW 教育とマイコン』(『NEW 教育とコンピュータ』と途中改称)は1985年から2007年まで刊行されていた実践活用情報誌です。「NEW誌と時代を振り返る」座談会企画スタートを記念して,創刊当時を振り返ります。
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教育系出版社である学習研究社は,コンピュータ技術者育成のための教育雑誌『学習コンピュータ』を1970年6月に創刊しました。社会的にも注目が高まっていたコンピュータや情報処理に関わる様々なトピックスと技術的解説,学習講座等の記事で誌面が構成されていました。当時,コンピュータや計算機を導入していた高等学校教育も守備範囲としており,学校教育とコンピュータとの関わりについても不定期ながら記事として紹介を続けていました。
1985年,『合格情報処理』と『NEW』という2雑誌に分化する形で『学習コンピュータ』は休刊しました。『合格情報処理』は情報処理技術者試験のための受験雑誌として,『NEW』は教育とコンピュータを結ぶ実践活用情報誌として新たに創刊されました。そのうち『NEW』は,『学習コンピュータ』1984年12月号から3回のスペシャル企画としてコーナーが用意され,NEW編集室が創刊に備えて制作をしていました。
○1984年12月号
スペシャル企画 新しい教育の波 NEW −−今,学校が変わる
都立全職業科高校,LANシステム導入の全貌
〈解説〉商業科高校へパソコン800台導入のねらい
〈ルポ〉導入校はLANシステムをどう生かすか
〈提言〉コンピュータ人間学とコンピュータ教育
〈話題〉義務教育段階から情報処理教育を(通産省,文部省と協議へ)○1985年1月号
スペシャル企画 新しい教育の波 −−今,学校が変わる
〈ハードウェア追求〉パソコンはどこまで教育利用できるか 編集部
〈インタビュー〉研究次元を超えて,日常的に使いこなすには?(堀口秀嗣)
〈ルポ〉二極化するハードメーカーの姿勢
〈ハード紹介〉今,使える教育用パソコンシステム○1985年2・3月合併号(最終号)
スペシャル企画 NEW新しい教育の波 −−今,学校が変わる
〈教育ソフト開発支援ツール追求〉 BASICを知らなくても教育ソフトは作れる!?
〈論説〉教育ソフト開発支援ツールとは何か 東原義訓
〈試用記〉教育ソフト開発支援ツールはどこまで使えるか 編集部
〈紹介〉今使える教育ソフト開発支援ツール一覧(『学習コンピュータ』目次より)
『学習コンピュータ』最終号の創刊予告では次のように新しい雑誌『NEW』が紹介されました。
NEW (NEW EDUCATIONAL WAVES)(仮題)
教育とコンピュータを結ぶ実践活用情報誌
「NEW」の5つの柱
①実践例紹介
パソコン導入校の実践の模様を,ハード・ソフト,授業,組織,運営などの諸方面にわたり,ルポ紹介。さらに実践の過程で生まれたプログラムリストの実際も紹介。またパソコンに限らず,ワープロ,ビデオディスクなどのニューメディア活用の状況も報告します。②ソフト・ハード情報
教育用ソフト(市販・自作),ハード(本体・周辺機器・システム)を点検・評価し,ソフト・ハ ード選定の視点を提供します。③実践パソコン講座
パソコン活用のノウハウを,教育の具体的な内容を例に解説します。(初級・中級講座)④一般教養記事
高度情報社会の中の学校という視点から,広く情報化社会の動向・話題をとりあげます。⑤NEWパル・ネットワーク
ユーザー間の情報交換のメディアとなります。
こうして1985年6月号から隔月刊雑誌として『NEW 教育とマイコン』誌が創刊されることになります。